2015年05月10日

家族内ドロボー : 相続でバレる大問題

【初心者・実務家向】
【推奨度:☆☆】

親の預金を勝手に引き出す子。
夫の土地をこっそり売却する妻。

著者、名付けて曰く「家族内ドロボー」。

題名も内容もわかりやすく、ショッキングです。
主に相続をきっかけに発覚する、親族内相互間での財産の窃盗・横領・不動産名義変更、というより侵奪がいかにして可能であり、どのような形態でなされるのか、が詳細に説明されています。
弁護士である著者によれば、平成17年になされた不動産登記法の改正も郵送申請などでかえって不正な登記申請がしやすくなった、とバッサリ叩ききられています。
相続相談にたずさわる個々の実務家達がときおりみかける問題事例の熱心な体系化という点でとても興味深く、読み物としてもわかりやすく読める良書です。

これは不動産登記の本でもあると思うのは、家族内ドロボーの形態には所有権移転登記(土地建物の名義変更)や抵当権設定登記(不動産を担保に入れてお金を借りる登記)が関連するものもあり、最近徐々に検索が増えつつある不動産登記本人申請は、ひょっとしたら家族内ドロボーとして計画実行されているかもしれないからです。

『名義を変える』ということは…に戻る(不動産の名義変更を自分でする人の方への情報提供)

書誌情報
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2015年05月09日

親のボロ家から笑顔の家賃収入を得る方法 : 空き家820万戸時代に、大切な家や土地を守る知恵

【初心者向】
【推奨度:☆】

東京などの大都市圏で、数十坪単位の土地を持っているひとだけ参考になる本です。
※そうでない場合は、資産の組み替えとして相続した不動産の売却→都市部の土地の購入と賃貸経営を推奨する内容です。
相続で残された親の実家を巡る問題はこれまで、とにかく売却等で手離れさせる「実家のたたみ方」、相続した建物を活用する「実家の片づけ活かし方」を紹介してきました。
この本はもう少し積極的に、相続した土地を活かして資産形成・拡大を目指そうとするものです。
賃貸経営を推奨するのですが、建物建築費用の利回りに注目しつつ綿密な調査と計画を経て(そのへんのハウスメーカーでそのへんに建ってるようなアパートなど建てないで)賃貸住宅や戸建て賃貸業にのりだし、大家さんになろう、そうした内容です。

このため、立地がいい土地をある程度の広さ(事例では、30〜50坪超)で相続しないと全然関係ない本なのです。
書誌情報
タグ:相続
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2015年05月08日

図書館で(図書館を)調べる 2

大規模図書館における書籍・雑誌以外のサービスとして、オンライン・オフラインのデータベース検索サービスがあります。
これは本人訴訟で役に立つことがありますので、主なものについて説明します。

・官報
オンラインから無料で官報の内容をみられるサービスとしては「インターネット版『官報』」が過去1ヶ月分の全文の閲覧ができます。検索はできません。
無料で私営の官報検索サービスはありますが、裁判所関係の公告事項の検索ができません。
月額制で有料の「官報情報検索サービス」を、主に県立図書館で無料で利用することができます。政令指定都市の市立図書館でもこのサービスが利用できるところはみかけません。
昭和22年からの裁判所の公告を含む全記事について全文検索ができますので、破産・個人再生といった信用情報に直結するものから、手形の紛失(除権決定)・建設業許可の取り消し・会社そのほか法人の解散・清算など、支払能力に変化を及ぼす公示事項で法人名や個人名(法人の代表者名)でヒットすることがあります。旧姓を含む人名と法人名を検索してみることをおすすめします。
決算の公告を官報で行うとしている法人はたくさんありますが、実際に中小企業でまじめに公告していることは期待できません。

・裁判例
第一法規の「D1−Law.com」や判例体系CD-ROM、レクシスネクシス・ジャパンの「Lexis AS One」のどれかが利用できることが一般的です。二十数万件の裁判の判決全文を検索でき、事件番号や裁判所、適用した条文等からも検索がかけられます。
ウェブで漫然と検索を繰り返すより、ずっと有用です。
これらのサービスの検索機能は、googleなどでの検索と違って誤字や表記のゆれを許容しません。
「残業代」と「残業手当」は別の語ということになりますので、「残業」で検索するなどの工夫が必要です。「ブラック企業」など、最近になってでてきた語で過去の裁判例を探すことは絶対できませんので、「賃金不払い」「長時間労働」「即時解雇」「損害賠償請求」などの一般的な語を使う工夫も欠かせません。このブログで紹介している参考文献が文中でどんな語を用いているかも参考にして、検索を繰り返すことをおすすめします。

・新聞記事全文検索サービス
愛知県では「中日新聞記事データベース」、その他の図書館でも朝日新聞の「聞蔵U」、読売新聞の「ヨミダス文書館」など全国紙の新聞記事全文検索サービスが利用できます。県立図書館の場合、地元紙の検索サービスを導入していることが多いです。
おおむね1980年代以降の新聞記事の全文を検索できるため、人名で検索して「逮捕歴」がヒットする場合があります。

企業情報と一部の雑誌の全文検索機能を利用することがあるかもしれません。
ネット系の証券会社に口座を持っていればオマケで利用できる人も多いかと思いますので、むしろそうした知り合いを探すほうが早いかもしれません。

○これらが使える図書館を調べる
各図書館のウェブサイトを一つ一つ調べるのもよいですが、上記のサービスの名称が正確に検索エンジンに入力できるので「サービス名 ○○県 図書館」等で検索すると楽です。
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2015年05月07日

図書館で(図書館を)調べる 1

このブログではさまざまな本を紹介しています。それらの入手には図書館の活用が有効です。
お住まいの地域の公共図書館で蔵書を借りるほか、以下の使い方を身につけることで本を手に入れられる可能性は飛躍的に広がります。

・相互貸借
最寄りの図書館のリファレンスサービス(調査・相談の受付)に依頼して、他の公共図書館から資料を貸してもらうサービスです。
相互貸借で取り寄せた書籍は貸し出しを受けられる場合とそうでない場合があります。手続きから数日以上かかります。
同一の都道府県内で、県立図書館を中心にシステムが構築されていることが一般的ですが東海北陸一円では県をまたがる相互貸借が実施されています。大学図書館もこのシステムに参加していることがあります。

このシステムを有効利用するには、他館の蔵書をインターネット経由で検索しておくことが必須です。
各都道府県立図書館を中心に、県内の各図書館の蔵書を横断検索するシステムが導入されています。
国会図書館総合目録ネットワークのウェブサイトでは、都道府県図書館OPAC・相互貸借一覧の情報が提供されています。
まずこのリンクから自県の図書館の蔵書を横断検索して、近くの図書館にあれば行ってみる、遠ければ相互貸借で取り寄せる、ということになるでしょう。

・大学図書館の学外利用
国立大学の図書館を中心に、大学の図書館は学生でない人でも書籍の閲覧・複写ができるようになっています。私学にも学外利用に対応するところがあります。主として館内での閲覧にかぎられ、借り出しはできないことが一般的です。
大学図書館の学外利用は、専門書を迅速に入手したいとき特に効果があります。

・都道府県立図書館の利用
公共図書館では書籍だけでなく、データベースも利用できるところがあります。官報・新聞記事・裁判例などは全文検索を無料で使えるため、与信調査・債権回収・本人訴訟で活用を工夫するとよいでしょう。
こうしたシステムが最寄りの公共図書館で利用できなければ、用事をまとめて県立図書館まで出向くことも考えましょう。

・国会図書館の利用
本館は東京にしかありませんが、込み入った境界訴訟で過去の都市計画図を探しにいったら本当に出てきた(市役所でも見つからなかったものが出てきた)ということもあります。
資料の大部分が閉架式で請求をかけないと資料が閲覧できず、資料が借り出せるわけでもなく、慣れないと本当に使えませんが一見の価値があります。
労働関係の訴訟では、過去の求人情報誌(紙媒体)がたまに所蔵されていて助かることもあります。

国会図書館まで行くかどうかはさておいて、お住まいの県の県庁所在地あたりまでは身軽に動けるようにしておけばちょっとやそっとの訴訟で資料に困ることはないでしょう。
調査に赴く際には、事前にその図書館のウェブサイトをチェックして希望の蔵書やシステムが使えるかを確認しておいてください。
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2015年05月06日

「不動産登記」を調べる

・インターネットを使って、調べる
土地や建物の登記情報を取得するには、調べたい土地ならば「所在」と「地番」、建物ならば「所在」と「家屋番号」を知っている必要があります。これがわかっていれば、他人の不動産の登記事項証明書を取得したり、登記情報を見ることができます。

注意しなければならないのは住所と地番が一致しているわけではないことです。
これは、他人の不動産の登記情報を調べたいとき特に問題になります。
住居表示(住所が○丁目○番○号などと表記)の地区ではすべて不一致になりますので、市区町村役場に聞いて地番を教えてもらうか、図書館・法務局でその地区の「ブルーマップ」(住居表示地番対照地図)を閲覧して確認する必要があります。
ブルーマップは県立図書館クラスまでの公共図書館の場合、他県のものを所蔵していることはほとんどありません。国立国会図書館では、全国各地のブルーマップを所蔵しており、コピーもできます。
登記情報提供サービスでは、一部の地域で「地番検索サービス」を提供しており平成27年以降順次拡大中ですが、全国をカバーしているわけではありません。

登記の情報を入手する方法としては民事法務協会が提供する「登記情報提供サービス」と法務省への電子申請システムの一種である「登記ねっと 供託ねっと」の二種類があるのは、会社の登記を調べるときと同じです。
「登記ねっと 供託ねっと」は法務局に対して電子申請をおこない、登記事項証明書を郵送等で入手するサービスで、即時に情報を確認できるものではありません。手数料の支払いはネットバンキングや郵便局のATMでおこないます。
「登記情報提供サービス」は登記事項証明書などと同じ記載を即時に見ることができるのですが、裁判所への提出書類で登記事項証明書が添付書類とされている場合には利用できません。また、利用にはIDの登録とクレジットカードが必要です。利用が頻繁でなければ、一時利用者として登録をうければよいでしょう。
土地や建物の登記事項証明書は、全国の物件についてどの法務局の窓口でも入手できます。この場合は申請書に所在と地番あるいは家屋番号の記入を求められます。
家事調停などで裁判所提出書類として添付を求められる不動産の登記事項証明書には、現在事項証明書・履歴事項証明書・一部事項証明書があります。通常は履歴事項証明書を請求しておけば、現在事項証明書に記載のある事項のほかここ数年の変更事項の記載もある証明書がとれますので、履歴事項証明書の取得をおすすめします。一部事項証明書をとる意味はほとんどありません。

・法務局に行って、調べる
我が国の不動産登記の記録は、昭和時代末期から平成20年にかけて徐々にコンピュータに収容されました。
コンピュータ化されるまでの紙の登記の記録は、管轄の法務局にいけば誰でも閲覧できます。閉鎖事項証明書として、登記事項証明書を発行してもらうこともできます。
この記録の閲覧は、差押えに適する財産を調査したり、過去に取引のあった銀行支店を探したり、過去の不動産取引の相手を知りたいときに行います。
登記申請書と一緒に提出された添付書類は、本人その他法律上の利害関係がある人(不動産の取引や遺産分割をめぐって係争中の人など)は法務局に行けば閲覧することができます。この記録は、平成20年の法改正以降は申請から30年間、それ以前は10年間保管されることになっています。

取得できた登記情報や添付書類の読み方は、別に参考文献を紹介しています。

『名義を変える』ということは…に戻る(不動産の名義変更を自分でする人の方への情報提供)

posted by 代書やさんと、そのアシスタント at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 探す・調べる