2015年05月12日

新・労働法実務相談(第2版)

【本人訴訟当事者・実務家向】
【推奨度:☆☆】

事例を示した労働相談が一問一答形式で掲載されています。
一問に対して見開き2ページから数ページの解説です。
内容は労使いずれにも偏っておらずバランスが取れています。
ほぼ毎年出版される点も内容の信頼性確保につながっています。

先に紹介した「新 労働事件実務マニュアル」と違い、裁判その他の紛争解決手続きの説明はほとんどなく、書式は全く載っていません。
法律上の、あるいは事実上の考え方を解説する本として、企業側で紛争予防の指針として使うのもよいだろうな、と思えます。
回答中に示される裁判例は裁判所名と日付を載せたうえでごく簡単に要旨に触れるかたちです。このデータをつかって、図書館で使える判例検索データベースから全文を入手するとよいでしょう。

新聞のように細かい字でひたすら説明が書いてあり、挿絵や表はあまりなく、読みやすくしよう、という印象はありません。硬派なつくりです。

知りたいことがあっという間にわかる、ということはありません。
回答が詳しすぎて初心者には近寄りがたいかもしれません。
でも、落ち着いて読み込むと自分のほしかった手がかりが案外見つかる、回答というよりは考え方を示すタイプの本です。
自分の関心がある設問とおなじ分野にある他の設問を読んでみる、というのはこの本では報われる努力になるかもしれません。

活字を丹念に追うことは必要ですが、ここからさらに詳しい裁判例を探す入り口になりうる良書です。
書誌情報
posted by 代書やさんと、そのアシスタント at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 労働紛争