日頃なんとなく、証拠説明書をお作りではないでしょうか?
本人訴訟を進めている方々には、書式集の片隅に載ってるようなのを見よう見まねで作っていませんか?
私もそのレベルだったということを、この本を読んで痛感させられました。これは類書がありません。
「弁護士がよくわからずに何となく提出してきたものが証拠説明書でした」(同書 発刊にあたって)
おそらくは大部分の訴訟代理人もそうなんだ、と安心したところで、本書はそこからの脱却をめざそうとするものです。
弁護士会と裁判官の意見交換の結果も経てつくられたこの本からは、裁判官から見た証拠説明書への期待が読み取れます。
「準備書面を読むときや判決を書くときに、証拠説明書により書証で立証しようとしていることを注意して読むので必ず出してほしい」(27ページ 民訴懇裁判官意見)
それとは裏腹な、弁護士側の認識も。
「出した証拠が何を立証しようとしているか準備書面を読めば分かるので、証拠説明書を提出する必要はないと思う」(26ページ 民訴懇弁護士意見)
そもそも証拠説明書にどのような記載をするべきなのかということを詳しく解説した本でもありますので、本人訴訟を遂行中に裁判官から、証拠説明書や陳述書を出すようにといわれてしまってとにかく作らざるを得なくなってしまったような人にも役に立つはずです。
構成は2部に分かれています。第1部は証拠説明書。表題のない文書や写真・録音、内容証明や登記事項証明書など文書やデータごとに、証拠説明書にどのような記載をしていけばよいのかを説明しています。
第2部は陳述書です。その性質から記載事項、証人あるいは本人尋問との関係が説明されています。一例だけ記載されている参考例は、交通事故の損害賠償請求事件の陳述書です。
私もこれから、まず証拠説明書の記載を充実させなければ。そう思わされました。