2016年02月23日

失敗しない廃業・事業承継のしかた事典 : 早めの準備と決断が決めて!

【初心者向】
【推奨度:☆】

うっかり会社を作ってしまった。
いつまで会社を続けられるかわからない。

そんな社長が、配偶者。

本書はそんな方々に、『事業のやめかた』を示した本です。

資本金1円で会社が作れるようになったのは平成15年、もう10年以上は経ってしまいました。制度施行直後の経産省のアンケートによれば、この制度を使って会社を作ってしまった人の7割弱が元会社員、5割弱が調査時点で年齢40歳以上です(最低資本金規制特例制度利用者実態調査 平成16年4月)。

廃業や債務整理の方法だけなら弁護士や司法書士による解説本は多々あるのですが、本書の珍しいところは事業の終わらせ方として

  • 『自分としてはもうやらないが誰かに譲る』(事業承継またはM&A)
  • 『やめられるうちにやめる』(自主廃業)
  • 『借金が返せず、強制終了』(破産)

これらの可能性を等分に解説しようとしている点です。第一章にその考え方ははっきりと示されています。

思い入れや余計なプライドは抜きにして会社は金儲けのための装置と考えれば、対処方針を決めるにあたって第2章で会社の収支状況や財務基盤・将来性を同書にいう『4つのものさし』に当てはめて考えてみる、という説明にも納得できるものがあります。これは、本書の著者が経営コンサルティング会社であるからかもしれません。破産(弁護士)、相続対策(税理士)など著者の立場に制約されて特定の方針を推奨したり説明の充実度に偏りがあるような内容になっていない点に好感が持てます。

自分で作ったり家族が作ったものを相続してしまった小規模企業をどうにかしなければならない方が、誰かに相談する前に『どんな方針をとってその事業をたたむことができるのか』を一覧できる参考書として、いい意味で初心者向けの本です。とるべき方針がきまったら、その方針についてさらに詳しく解説した本を読み進めるなりその分野の相談担当者を探せばよい、ということになるでしょう。

この本は、ひょっとしたら実務家も使えるのかもしれません。図版が豊富で個々の説明がわかりやすいため、相談に来た方に推奨しようとする手続きや方針に関する説明を本書に記載の図や解説でおこなうことができるかもしれない、と考えています。

書誌情報

タイトル 失敗しない廃業・事業承継のしかた事典 : 早めの準備と決断が決めて!
編著者 BNC 編著
出版者 西東社, 2014.3.
ISBN 978-4-7916-2043-2
【ファイナンシャル・プランニングの最新記事】
posted by 代書やさんと、そのアシスタント at 18:15| Comment(0) | TrackBack(0) | ファイナンシャル・プランニング
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