2016年10月08日

名古屋簡裁・地裁・高裁 労働事件に関する開廷表調査(第8次)について

当事務所では例年10月に、名古屋簡易・地方・高等裁判所の開廷表を調査して労働関係訴訟の事件数の推移を調べています。
今年は10月3〜31日を調査期間としました。
これは10月3〜7日に調査した、名古屋地裁民事第1部(労働事件の集中部)および名古屋簡裁・名古屋高裁における労働関係事件の事件数です。

調査は昨年と同様、次によって行いました。
地裁は民事1部の開廷表に記載の事件は一応、労働事件と推定し、そのなかから国・地方公共団体を被告とするものを除きました。したがって、公務員が原告となるもの・労災補償に関するものはカウントしていません。単に「損害賠償請求事件」とされているものは労働事件でない可能性があるため、当事者の一方が個人、他方が法人のもののみカウントしました。
簡裁は開廷表記載の事件名から、「賃金」「解雇予告手当」など、明らかに労働事件とわかるものをカウントしました。
したがって、地裁であれば損害賠償請求事件としてカウントできた性質の事件(パワーハラスメントその他の不法行為・安全配慮義務違反に基づく請求)をカウントできていません。
事件名として未払賃金等とある場合、未払いの賃金請求以外に何らかの請求(解雇予告手当・損害賠償など)を含んでいるはずですが調査していません。

事件名の傾向と事件数は、つぎのとおりです。

簡裁
 賃金 2件(通常訴訟 2件)

地裁
 割増賃金   1件
 損害賠償   1件
 地位確認   1件
 解雇予告手当 1件
 その他    1件

 簡裁からの控訴事件 なし

高裁
 地位確認 1件

特記事項
 地裁で原告本人訴訟によるもの 2件 被告本人訴訟によるもの 1件 双方に代理人があるもの 2件
タグ:本人訴訟
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2016年10月03日

2時間で丸わかり 不動産の基本を学ぶ

【不動産の取得希望者・初学者・新任の補助者向】
【推奨度:☆☆】

 

表紙にあるままの内容です。それが本書の長所です。

この本は不動産業者の新入社員、そのほか仕事として不動産取引に初めて関わる社会人を想定しています。不動産に関する現地や法務局など官公署の調査、担保の評価、融資(住宅ローンや賃貸経営者向け融資)の利用のまさに基本的なところが書かれています。 


本書をおすすめするのは『不動産業者は関与しないが、個人での売買や贈与で不動産を取得しようとする人』つまり登記を自分でしようとしているが、契約書と登記申請書だけ見つかればどうにかなると信じている…ちょっと危険な初心者、です。


とにかく我慢して1章から3章まで読んでみましょう。登記情報の取り方・読み方、法務局で不動産調査のために取れる書類(そして、その取得に費用を惜しむな!という業界内での基本事項)、現地調査で注目することや携行品、それをまじめにやったら見いだされるであろう現地現物や登記・契約の問題点の基本的なところを知ることができます。


こうした解説書は、薄くてわかりやすくしようとすれば情報不十分なパンフレットになってしまい、詳しくしすぎると専門書になってしまいます。登記情報や公図の読み方、不動産の契約と紛争はそれ自体専門書として独立させるに十分な分野ですが、それらを一通り、しかも事前に知識を持っていない人でもなんとか読めるように説明した点で貴重です。


不動産を取得するまえにとにかく現地をよく見ろ、登記簿は事前に取れ、と言うだけなら簡単です。では何をどのように見るか、読み取るか、すぐできる(だからこそ、しなければならない)ことを、この本で押さえておくとよいでしょう。

書誌情報
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